黒字転換を早期実現する協力者づくりについて
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船井総研あがたFASでは、毎月、複数の旅館譲渡に関する経営相談を受けております。弊社に寄せられる譲渡相談にほぼ共通するのは赤字施設であることです。買い手様としては「赤字施設の譲渡案件は非常に多い。また、黒字施設ならば引き継いだ直後から回収が見込めるのに・・・」と、検討のテーブルに上がりにくいのが本音です。M&Aという市場の市況感を総括しますと、魅力があっても赤字であればその魅力が伝わらない市況感があります。コロナ禍を経て、再投資ができず、赤字から回復していない旅館譲渡案件が非常に多いからです。
ので、譲渡成立を目指す企業様としては、赤字から黒字への転換が必須事項。ただ、そんな簡単にはいかないのが実情という企業様も多い中、「運営委託」も含めた、協力者の経営参画をご検討いただくのは有効と思います。「運営委託」とは、企業や組織が、自社の事業運営における特定の業務を、専門的な知識やノウハウを持つ外部の専門業者に委託すること。所有権や負債は譲渡希望企業様のままですが、いわゆるオペレーション(及びその一部)を外部委託することで黒字化を図るという選択肢になります。修繕も含めた再投資や人材の雇用に関する役割分担など、詳細部分の整理が要りますが、黒字転換を実現し、譲渡成立を目指す売主様には、有効な選択肢の一つと言えます。
ちなみに、「運営委託」による協力関係は、様々な形態があります。最も一般的なのは、売主様が賃料を受け取るパターンです。その場合、出た利益は総て運営委託社にもたらされることになりますが、売主様は賃料を受け取ることになります。ただ、このスキームの場合、協議が必要になるのは、再投資に関する責任分担です。そんな責任分担を少し回避できるパターンとしては、利益折半の運営委託スキームとなります。再投資の責任分担は両社で協議・整理する必要がありますが、いわゆる成功報酬的なスキームになるので、出た利益の割合をあらかじめ決めておけば、運営委託社の事業意欲を高めれるというスキームになります。
私も、宿泊施設のご支援先があるので、宿泊業界の好況感を実感しているのですが、やはり、アフターコロナの好況感というのは、早々に訪れるレベルのものではないと思います。約30年に渡り、コンサルティング業を通じて、複数業種の業況感を確認してきましたが、この宿泊業界の好況感は数十年に一度のレベルではないでしょうか?おそらくですが、近々、競合が激増したり、様々な原価が激増したりで、この好況感を得られる時期は早々長く続かないとみるべきと思います。ので、業界全体が好況のうちに有効な手立てを打ちたいところ。譲渡を検討されている企業様におかれましては、「譲渡成立」に向けて、様々な道筋を模索されることをお勧めできればと思います。
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