経営相談数トップ3!“宿泊価格をあげたい”けど……
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船井総研の臼井です。
現在多くの経営者から相談をいただく中の1つに「宿泊料金の設定」があります。
コロナ感染状況と、それに呼応する国や地域政策に大きく稼働状況を左右され続けてきた2年間です。その状況下で「できれば単価アップをしたい」という経営者が増えています。と同時に「とはいえ、価格を上げることで、離反客、特に、これまでご利用いただいていたお客様が離れるのは避けたい、、、。」という悩ましい相談を数多くいただきます。
その経営相談の中でお伝えしていますが、経営者に、理解をいただかなければならないことが2つあります。
1つ目は「お客様の声を聞き過ぎない。」ということです。聞き過ぎると、究極は「0円」で提供することになります。これは、サービスでも何でもなく「安売り」です。※要は、安易に価格を下げない
2つ目は「価格に正解はない」ということです。もう少しストレートに言えば「お客様と自社の提供価値に合わせて自由に決める」です。お客様が納得して購入されていれば、それは「適正価格」です。不満を持たれていれば、それは、提供価値か価格に何か不都合が起きているハズです。
さて、上記を前提として、弊社が宿泊料金のご提案行う場合の手順について、下記に簡単にまとめました。ぜひ、ご参考ください。
価格設定は下記の2つの手順で進めていきます。
1.競合調査、自社分析
2.船井流予算帯に基づく価格設定
1.競合調査、自社分析
競合価格と自社の現状の価格の立ち位置を把握します。
詳しい手順ですが、
(1)車30分圏内(商圏で異なる)で競合施設をピックアップする
(2)競合施設の稼働率・価格(閑散期と繁忙期)を調査する
(1)では、①立地➁部屋数(規模)③稼働率の順番で、競合施設を絞り込んでいきます。その際に、自社と償還が近い企業だけでなく、いわゆる地域一番店や二番店もベンチマーク先として取り入れます。
(2)では、ホームページの予約ページから残室数や価格を調査します。その際に繁忙期(ゴールデンウィーク、お盆、年末年始)や閑散期(通常の平日)も参考にします。また、ホームページの予約ページから不明な場合はOTAや架電を通じて調査します。
この様に、まず、自社商圏(自社と競合施設、地域一番店)の現状を数値化し、客観的に評価できる状態にします。
多くの経営者は「なんとなく」理解しているだけで、見える化した上で、経営相談されているケースは1%以下です。
2.船井流予算帯に基づく価格設定
船井総研では、マーケティング観点と顧客心理(お客様の予算帯の考え方)から、価格を検討します。上記1.で調査した商圏価格(競合施設、自社施設)をこの予算帯の価格テーブルに当てはめて「検証」を実施します。
”価格の根源的分岐点”を基準とした料金の設定をします。
詳しい手順ですが、
(1)自社の予算帯を作成する
(2)プランごとに、価格を最適な価格を設定する
(1)船井流では、お客様の予算を考えるときの数字の基準を「1.2.3.5」で考えます。これは、お客様が商品を購入しようとして頭に浮かべる予算は「1,2,3,5」のいずれかになると考えられるからです。
具体的に表すと「1,000円、2,000円、3,000円、5,000円、1万円、2万円、3万円…」という具合です。
例えば、家族や知人と一泊の旅行を計画する際に「一人1万円くらいで」とか「3万円までなら」という会話が、まさにそれです。反対に「4万円程度で考えたいな」という会話は、誰も経験したことがないと思います。このようにして想定されるお客様の予算を価格帯ごと整理したものが「船井流の予算帯理論」です。
(2)船井総研では、価格における数字を(4,8,18)を基準として考えます。統計的にみると、例えば1万円が予算の人は、8,000円から18,000円までの商品を購入しています。
更に、2万円、3万円の予算の人がいくらくらいの商品を買うのかということを調べてみると、
・2万円の予算の人…18,000円~26,990円
・3万円の予算の人…27,000円~40,000円
宿泊施設で置き換えてみると、
例えば、現在20,000円で一泊二食付きの宿泊プランを設定しているところを、
理論上では、26,990円の料金設定までが2万円予算帯の人が購入される商品ということ、です。これ以上の料金設定になると、この2万円の予算帯で考えている人は、他の2万円帯の施設を検討されることになります。
逆に、17,000円の1万円の価格帯に値下げすると、2万円予算帯の人からすれば「安い」と感じることになります。
基本的な考えは、今回ご紹介させていただいた
1.競合調査、自社分析
2.船井流予算帯に基づく価格設定
です。
※大前提は、自社の商品・サービスが常に、時流適応して開発され続けていることです。消費者にとって魅力的ではない商品を高く売ったり安く売ったりするのは、価格戦略とは言いません。
価格設定は、業績(売上、利益ともに)に大きく影響する施策です。是非、ご活用いただければ幸いです。
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著者プロフィール
臼井 大地(Daichi Usui)
高級プライベートヴィラ・グランピング立ち上げ専門のコンサルタント。成功事例の行脚数は100施設を超えている。 より早く、より確実に成果を出すために全国のグランピングの成功事例を集め続けており、 成功事例の数は業界でもトップクラスである。 都市部はもちろん過疎地でも成功する事例など幅広い成功事例を持っている。