グローカル旅館経営研究会 6月例会レポート ①

2020年7月7日

みなさんこんにちは。

今回のコラムでは、船井総合研究所にて年に6回開催している経営者向け勉強会「グローカル旅館研究会」6月の内容を一部抜粋してご紹介いたします。

 

今回の研究会は、ポストコロナに注目して例会の座組を組みました。
コラムはあくまでも抜粋版とはなりますが、ぜひ今後の経営の参考にしてくださいませ。

 

例会テーマ「ポストコロナのマクロトレンドと旅館経営」

第1講座   コロナによる転換期に勝ち残る旅館経営法
第2講座   コロナでも立ち止まらない旅館の取組事例大公開
第3講座   ポストコロナ時代の旅館の新事業 地方創生×スイーツ活用術
ゲスト講座  ゲスト講座 蛍雪の宿 尚文様
情報交換会  コロナウィルスの影響を受けながら取り組んだこと、地元資源を活かした新事業
まとめ講座  ポストコロナのマクロトレンドと旅館経営 まとめ

今回は3回に分けてご紹介して参ります。

第1回は、第1講座、第2講座をご紹介します。

 

〇第1講座 コロナによる転換期に勝ち残る旅館経営法

第1講座では、緊急事態宣言が解除され、人々の行動が活発している状況を踏まえ、生活スタイルが大きく変化している点を以下の5点から解説しました。

 

1 結婚式・宴会・法事・イベントなどの縮小化と減少
2 遠方→近隣観光ニーズの高まり(宿泊を伴う)
3 学校行事の削減・修学旅行の取りやめ
4 リモートワークの一部継続と定着による出張減少
5 物流業界・DX(デジタルトランスフォーメーショ)の活発化 など

これらを見ていただくと、今までの生活スタイルとは大きく変化しており、そのまま定着するものもあると思われます。
また、生活スタイルの変化により顧客のニーズも大きく変更していることが想定されます。
従って、既存の経営方法では利用者に選ばれない施設になる可能性があります。

そういった中、当研究会が皆様に取り組んでいただきたい対策を一部ご紹介いたします。

 

3密を回避し、ソーシャルディスタンスを担保した受け入れ体制の見直しと、情報配信

コロナウィルスの影響で宿泊施設が最低限提供するべき「安心」「安全」「清潔」が最も求められる要素ですが、
一方で実際にはなかなか担保できていない施設も多いと想定されます。

さらにこれら施策は、宿泊客のための取組内容でもありますが、従業員を守る取り組みでもあります。
なぜならば、従業員もまたコロナウィルスへの感染を懸念しており、さらにその先には従業員の家族の方々、さらにそのさきには地域があるからです。
ですから、安心、安全、清潔は顧客対応という視点のみならず、従業員対応、ひいては地域対応だと考えてやってみてください。

さて、まだ対策ができていない方は、下記から取り組んでみてください。

1 お客様の触れるものは定期的に消毒
2 お客様への館内説明は、POPなどを活用して省略化
3 荷物を預かる際は、白手袋を着用
4 食事は個室で提供 広い食事処の場合は仕切りを設置
5 現金取引ではなく、キャッシュレス化

また、受け入れ態勢の準備が整い次第、自社HPや宿泊予約サイトでの掲載を行い、受け入れ態勢が整っている旨を伝える必要があります。

何故なら、感染予防対策をしている宿から選ばれる可能性がある為です。人との接触が感染リスクを高める中、
旅行に行く際も意識している人は多いと考えられます。

旅行客が減少している中、予約数を確保するために取り組む必要があります。

 

IT導入による業務効率化

日本旅館協会のガイドラインを元に、弊社研究会メンバーで作成した受入れガイドラインがあります。
有事の際にその重要性をより感じるのはIT導入による業務効率化です。
売上が減少し、更に人の接触を減らす必要がある中で従来の運営方法では対処することが難しい箇所もあると思います。
例えば、雇用調整助成金を活用して従業員の数を減らした場合、減らしたスタッフの代わりとなるものが必要になります。
少人数でも今まで通りの接客をするためには、働く従業員のサポート機能のあるITを導入していかざるを得ない状態です。

 

従業員のフォロー

有事の際は、気持ちが落ち込み不安になるものです。また、守りに徹する人が多くなり、宿泊客の受け入れを拒む人もいると思います。
そういった中で、事業を再開するためには、従業員を守る取り組みを伝える必要があります。すでに再開されている施設が多いと思いますが、
従業員の不安を取り除くため・事業に協力してもらうためにも伝える必要があります。

 

以上のようにアフターコロナを考えた場合、その変化に対応するためのいくつかの重要施策が存在します。
ぜひ、これらを優先度を決めて実行してみてください。

 

〇第2講座 コロナでも立ち止まらない旅館の取組事例大公開

第2講座では、第1講座でご紹介したような変化を受けてなお、仕掛けていくべき積極施策についてご紹介します。
特に有事の際は、進むべき方向性を見いだせず現状を維持する施設と、臨機応変に取り組む施設に分かれます。
本講座では、特に前向きに取り組みをしている施設について一部紹介します。

 

宅配事業の参入

自粛期間になり、人々が自宅で過ごす機会が増えると予測したことから、宅配事業に参入した事例です。
専用チラシとSNSを活用することで、集客に成功することが出来ました。宿泊施設の多くが移動商圏90分~150分内の顧客が多い中、
今までは顧客の対象とならなかった地元商圏向けに展開したことがポイントになります。

本事業は自粛期間関係なく今後も展開できる事業となっている為、地元商圏向けに事業を展開したい方にオススメします。

SNSを屈指した店頭販売の開始

こちらも、地元商圏に向けた取組です。SNSを屈指することで集客出来ていると想定される事例です。

SNSは宿泊予約に直接結びつく販促ではない為、有効的に活用している施設は多くないです。
ただ、地元商圏向けに商売する場合、既存の販促方法ではなく地元住民の認知、購入につなげる販促が重要となります。

そこで、無料でできるSNSが非常に有効なツールとなります。商品内容・販売状況をこまめに配信出来ますし、
施設を支持した地元の方がフォローしてくれるケースがある為です。

一部難しい機能はありますが、慣れれば誰でも出来るものですので、取組を推奨します。

 

通販の参入

通販市場は2009年~2018年で約10倍までに成長しています(公益社団法人日本通信販売協会より)。

市場の成長を通し、通販に参入している宿泊施設も増加傾向にあります。販売商品を見ると、
自社のオリジナル商品や地域の食材を活かした料理を販売している宿泊施設が多いです。

弊社では、通販事業の参入をサポートしております。通販の参入を検討している方は、下記の対策を行うことを推奨します。

・重要度は、「商品4」:「顧客4」「販促2」
・商品開発をする際は、第1に顧客目線に立つことが重要
・新規顧客を育成し、3回利用してもらう
・紙媒体、ウェブを活用した販促をする

 

いかがでしたでしょうか。

 

今回は6月例会の 第1講座、第2講座のみのご紹介でしたが、
次回はさらに踏み込んだ積極施策としてスイーツ×旅館、さらに会員でもある旅館様との対談記録もお伝えします。

 

また、これらはあくまでも抜粋版ですので、アフターコロナの旅館経営に興味のある方はぜひ、研究会本会にご参加くださいませ。

お待ちしております!

コンサルタントコラム

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