赤字の旅館をM&Aするメリットとは?
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弊社に寄せられる旅館事業譲渡のご相談は、約8割が赤字企業様からです。コロナ禍を経て財務面での不調が続く中、再生に立ち向かうための人的資源にも乏しい。特に経営者ご自身がご高齢の企業様におかれましては、そのお気持ちが痛いほど理解できます。ちなみに、赤字企業様を引き受ける譲受企業様(いわゆる買い手様)としては、「譲渡成立の5年後、繰越欠損金が残っていれば吸収合併で処理が可能」というメリットがあります。利益が出ている企業においては、いわゆる経費対策ができるメリットがあるのは事実です。ただ、譲渡成立から5年経過した時点で繰越欠損金が残っていることが条件になるので、遠い過去の累積赤字が総て充当されないという点が留意点になります。
また、繰越欠損金が譲受企業様(いわゆる買い手様)に有利となるという点をご存じの譲渡企業様(いわゆる売主様)からは、「自社は赤字企業なので譲受企業様(いわゆる買い手様)には経費対策ができるメリットがあるのでは?」という質問を頂戴することもあります。ただ、譲受企業様(いわゆる買い手様)が建て直しに成功。黒字転換しない限りは繰越欠損金の経費処理に意味をなさないのは当然のことです。というのも、引き受けた譲渡企業様がずっと赤字続きでは、ただの赤字会社がグループインしただけなので、何のメリットもない。よって、赤字企業のM&Aにおいては、やはり、「譲受企業様(いわゆる買い手様)が事業再生できるのか?」が最重要になります。譲受企業様(いわゆる買い手様)が事業再生に成功し、黒字化した暁に繰越欠損金が経費対策に有効となる。そのように考えると繰越欠損金が譲受企業様(いわゆる買い手様)にメリットがあるとはいえないとご理解いただけるかと思います。
ただ、「立地」「歴史・のれん」「温泉の泉質等」に潜在的な価値を見出す譲受企業様(いわゆる買い手様)がいらっしゃる場合、赤字企業のM&Aが成立します。ただ、成立の条件は「格安・割安」であること。赤字企業様においては「立地」「歴史・のれん」「温泉の泉質等」に高いご評価をすることは原則としてなく、「立地」「歴史・のれん」「温泉の泉質等」を格安・割安で引き継げるのでM&Aが成立するのが実態です。譲渡企業様におかれましては、赤字企業のM&A成立は「格安・割安」がほぼ絶対条件とご理解いただくべきかと思います。
やはり、譲渡企業様(いわゆる売主様)においては、黒字化して売却成立させるのがベスト。ほんの少しでも黒字化すれば、評価は一変します。ほんの少しの赤字とほんの少しの黒字では譲渡対価も雲泥の差になりますので、黒字化に向けて全力を尽くしていただくのが譲渡企業様(いわゆる売主様)にご検討いただきたい点となります。業績を伸ばすだけでなく、業務改善(省人化、販管費の見直し)で黒字化に成功する企業様もいらっしゃると思いますので、譲渡をご検討されている宿泊業の事業社様におかれましては、是非、「黒字化してのM&A成立」をご検討いただければと思います。
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