「新たな会員制ヴィラ事業の成功戦略」
ーYAMATO STAY と Village X の挑戦ー

2024年10月18日

会員制ホテルレジデンス「YAMATO STAY」や、サブスクリプション型別荘「Village X」を運営する Karakami HOTELS & RESORTS 株式会社 代表取締役 社長 唐神耶真人様にお話をお伺いしました。

■Karakami HOTELS&RESORTS について
当社は全国各地で高級ホテルやリゾートホテルを経営しています。
和歌山県の南紀白浜温泉 ホテル川久や宮城県の仙台・秋保温泉 ホテル瑞鳳など、一流のホテルや旅館を多数運営しています。

 

■ホテルレジデンス事業について
当社は「YAMATO STAY」や「Village X」などのブランドを立ち上げ、会員制ホテルレジデンス事業やサブスクリプション型別荘事業など、革新的なホテルレジデンス事業を展開しています。

 

■YAMATO STAY について
YAMATO STAY は会員制のホテルレジデンスブランドです。
会員は、今後全国に展開予定の YAMATO コレクションに、会員価格で宿泊できるサービスを利用できます。

 

■YAMATO STAY を立ち上げた経緯
私は代々ホテル事業を営む家庭で育ちました。幼い頃からホテルに親しんできた経験が、「良いホテルをつくりたい」という強い想いの源となっています。代表に就任して以来、この想いを胸に、常に新しい価値を提供する事業展開を模索してきました。

長年のホテル業界での経験から、従来の高級ホテルや会員制ホテル、さらには別荘所有においても満たされないニーズがあることに気づきました。

高級ホテルの限界:
● 親密な人たちと大人数で集まる際に、完全なプライベート空間を確保することが難しい。
● 豪勢な時間を過ごしたいが、他の宿泊客の目を気にせざるを得ない。

別荘所有の課題:
● 初期費用や管理費用が高額で、所有者への経済的負担が大きい。
● 年間の利用頻度が予想より低く(多くの場合 30 泊未満)、投資対効果が悪い。
● 同じ場所でしか利用できないため、多様な旅行体験が制限される。

これらの課題を解決するため、従来のホテルと別荘の利点を融合させた新しい宿泊形態を構想しました。その結果誕生したのが、会員制ホテルレジデンスブランドの YAMATO STAYです。

 

■YAMATO STAY の特徴
● 完全プライベート空間:1 日 1 組限定の贅沢な空間で、他の宿泊客を気にせず過ごせます。
● 非対面式でありながら高級ホテルクオリティのサービス:専門コンシェルジュによるカスタマイズされた高品質なサービスを提供します。常駐スタッフはおらず非対面式のため高いプライバシー性を実現します。
● 柔軟な利用:会員制で複数の場所を利用可能。別荘所有よりも低コストで多様な体験ができます。
● 大人数での宿泊に対応:200 平米ほどの広さで定員 8 名以上が収容できる客室を中心に整備し、大人数でも快適に過ごせます。

 

■YAMATO STAY の独自性
私たちは、出張シェフや記念日の演出など、会員ごとにオーダーメイドのオプションを提供し、他では経験できない特別な時間を体験していただくことを大切にしています。

会員専用のオンラインコンシェルジュを通じて、滞在中のサービスはもちろん、滞在前後のフォローも行っており、会員満足度の向上に努めています。

会員とコンシェルジュのコミュニケーションは LINE 上で行い、ストレスなくやりとりいただけるよう工夫しています。

また、ホテル運営で培ったお客様に寄り添う力をカスタマーサクセス部門に活かし、会員満足度のさらなる向上を図っています。

 

■従来のホテル事業との大きな違い
YAMATO STAY では、会員獲得のための「営業力」が不可欠です。

運営面ではこれまでのホテル事業で培ったノウハウを活かせましたが、会員獲得に欠かせない販売力やマーケティング戦略の強化が必要でした。

そのため、営業経験のある人材を積極的に採用し、現在の組織体制は、マーケティング部門・セールス部門・カスタマーサクセス部門を中心に構成しています。私自身も現場のマネジメントに携わり、各部門の最適化を図っています。

 

■Village X について
Village X は、「The Great Good Place」をコンセプトに掲げるサブスクリプション型別荘ブランドです。

独自のアプリケーションを用いた無人オペレーションにより、都心に住む人々が身軽に通える「リトリートライフスタイル」を提供しています。月額の定額料金で、都心から片道 90分程度の好アクセスな立地にある拠点を自由に選んで滞在できます。

現在、軽井沢や河口湖に拠点を展開しており、今後も全国各地への開業を予定しています。

 

■Village X において重視しているポイント
Village X では、ロケーションを特に重視しています。サブスクリプション型のサービスであるため、顧客が頻繁に利用できることが重要です。立地の良さが会員満足度の向上や退会率の低下に直結すると考えています。

そのため、都心などの大商圏からのアクセスはもちろん、各エリアの駅や空港から近い立地で、徒歩圏内に飲食店や温浴施設、コンビニなどが揃った環境を重視しています。

無人オペレーションを採用しているため、食事提供などのサービスは行っていません。その代わり、近隣の飲食店で食事を楽しんでいただくことで、その土地ならではの食体験など、地域の魅力を肌で感じていただける適度な都市性を持つ立地を選択しています。

 

■Village X ならではの特徴
Village X の特徴は、1 棟あたり 40 平米前後の広さが標準のヴィラタイプの客室が多いことです。

一見狭く感じるかもしれませんが、景観を室内に取り込む大きな窓によって開放感のある空間を実現し、窮屈さを感じさせない設計を心がけています。

また、浴室やキッチン、デスクなど必要な設備がすぐに手の届く場所にあり、利便性を感じやすい動線を意識的に設計しています。1 棟あたりの面積を抑えることで、広くない土地でもヴィラタイプの客室を建築でき、建築コストも抑えられるというメリットもあります。

 

■今後の展望
日本には諸外国と比べて 5 つ星ホテルの数が少なく、高級ホテル業態では国内企業が外資系ブランドに後れを取っている現状があります。そのため当社では、ホテルコンドや会員制ヴィラなどのホテルレジデンス事業という比較的新しい市場において、世界に誇れるブランドを創出していきたいと考えています。

今後は YAMATO の上位ブランドを国内にて立ち上げ、将来的に海外のリゾート地への進出も視野に入れています。

従来のホテル事業と、新興のホテルレジデンス事業をベースに、グローバル展開を目指していく予定です。

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