地域と密着して、地域と自社の魅力を発信することで成長した企業
宿泊業界未経験ながらグランピング事業の責任者となり、
Fukiagehama Field Hotelを運営し、高稼働を実現させた鳥居崇史氏にお話を伺いました。
■貴社のグランピング事業のきっかけを教えてください。
弊社のグランピング施設は元々が『吹上浜荘』という国民宿舎をいちき串木野市が運営しており、事業譲渡という形で譲渡して頂いた施設になります。
ですので、今までの吹上浜荘で使って頂いていたお客様に引き続き使って頂ける要素を
引き継ぎつつ、グランピングという、鹿児島ではまだ多くなかった新しい切り口で、
宿泊の提供を考えている施設になります。
『普段使いのホテル利用と、ちょっとした非日常が体験できる宿泊施設』というコンセプトのもと、敷地内の半分をホテル棟として(現在建設中)準備し、ちょっとした非日常という部分で、屋外で宿泊を楽しむことをテーマに、キャンプなどの本格的な道具を必要としない、ライトユーザーにも受け入れられるような施設を目指してグランピングエリアを設けています。
■貴社として理念、どんなブランドづくりを意識したかを教えてください。
お客様からの声にはできるだけ耳を傾けて、施設をお客様と一緒に育っていこうと考えています。そのため詳細なコンセプトは決めておらず、お客様の声に日々耳を傾けて施設を創作し続けています。
施設づくりで参考にさせて頂いた施設は多々ありますが、特に参考になると思った施設は実際に訪れてお話を聞くようにしています。実際に私も参考にしたい施設まで出向いて運営についてお話を聞いたり仕入れ先についてご相談させて頂いたりしています。私は宿泊業未経験でもあったので、そのようなお話は非常に貴重でした。また実際に訪れた施設さんにトレーラーハウスの仕入れ先をご紹介頂くこともできました。
■大手予約サイトのレビュー数がグランピング施設の中でも非常に高い。その顧客満足度の秘訣や再来店の工夫についてについて教えてください。
お客様の声に耳を傾けて、改善できる声はすぐに取り込むことを心掛けています。例えばお客様から「靴ベラが無かった」というご意見を頂いた際には即日で対応するなど、小さなことでもすぐに変えられる事であれば、ためこまずに実行しています。
コミュニケーションなども大切にしていますが、単純に周辺地域にグランピング施設がないことや、近年のアウトドアブームも追い風になっていると思います。
■貴社のグランピング施設での社員教育や接客のマニュアルなどサービス品質についての施策を教えてください。
ホテルの接客に詳しい人間が私を含めていないです。そのためみんなで考えることを大切にしています。会社としての理念や考え方は共有していますので、その上で技術的な部分は相談して試行錯誤をしています。短期間でのマニュアル作成は不可能ですが、自発的に動いてくれるスタッフ達のおかげもあり、着々とマニュアルができています。
■貴社のグランピング事業の初期投資、PLや稼働率等の経営数値を教えてください。
初期投資は約4億円です。部屋数は19室で、トレーラーハウス13棟とテントサイト6棟です。トレーラーハウス1棟当たりウッドデッキ込みで約1,000万円かかりました。稼働率は去年のコロナ禍の6月から9月で75.8%でした。また直近の3月は95.6%とほぼ満室が続きました。特にテントの稼働率が高く、平均85%ほどあります。
■今後の展開を教えてください。
今後は、地域の面白い部分や魅力を発信して、そのついでに泊って頂けるように観光地と観光地を結んでPRして、地域と一緒に発展していきたいです。その一歩としてビーチクリーンバギーの企画や吹上浜の林道の整備をしております。ビーチクリーンバギーでは、バギーに乗りながら砂丘の清掃もできるアクティビティです。また吹上浜の林道の整備では、林道をつくって照明を作ることで吹上浜の綺麗な景色をより多くの人に楽しんで頂くことができます。このように今後も地域の魅力を発信できるような活動を続け、その活動を通して地域とFukiagehama Field Hotelを発展できればと思います。
Fukiagehama Field Hotel様HP
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