地域の振興を本気で考えて、地域と一緒に成長している企業

2021年4月13日

千倉町に再び子供たちの笑い声を呼び戻すことをミッションに母校小学校の保養所をホテルとして再生し、ちくらつなぐホテルの運営をしている株式会社ブルー・スカイ・アソシエイツ代表の金子岳人氏にお話を伺いました。

 

■貴社のグランピング事業のきっかけについて教えてください。

グランピング事業・オートキャンプ事業は、地方創生の解の一つになると思ったのがきっかけです。そもそも、地域によって変わってくると思います。ちくらつなぐホテルの場合はメインターゲットが東京在住のファミリー層でした。そのため売り方もラグジュアリーのような高級なコンセプトでもなく、キャンパーのような本格的なアウトドアなコンセプトでもない家族向けのカジュアルなコンセプトで売り出しました。

また、他の土地でもグランピング事業を検討したこともありました。その地域は東京からのアクセスもよく、地域の知名度も比較的高いため、ローカルブランディングも十分可能と考えて準備していました。その際も敷地内の保養所を改修し、空いている土地にグランピング施設を新設する計画でありました。“母屋“があることによって、天候不順にも対応することができ、これによって顧客満足度を引き上げることができるので、グランピング事業でのシナジー効果が高いことから検討した経緯があります。

このように土地土地の特徴によって、事業の形を変えながら地方創生を軸に事業を開発しています。

 

■貴社として理念、どんなブランドづくりを意識したかについて教えてください。

首都圏のファミリー層にどうやったら受け入れてもらえるのか?ということを常に考えていました。まずはメインターゲットを決めて深堀し、その先に、女子会、シニアやグループとニーズを積み上げていこうと考えていました。ホテルスタッフには、我々は部屋を売るのではなく、地域そのものを売っていきたいと伝えてきました。弊社では、その地域の日常(暮らし)に触れるような体験の提供こそが、今後の生き残りに必要なコンセプトだと考えています。ちくらつなぐホテルのコンセプトは、「町を遊び尽くす、家族の学び舎」となります。現在はアウトドア志向になり需要が喚起されていますが、ホテルと併設してグランピング事業を展開することで悪天候や冬でも顧客の不安や懸念を少しでも払拭し、快適に過ごせるようにしました。

 

■大手予約サイトのレビュー数がグランピング施設の中でも非常に高い。その顧客満足度の秘訣や再来店の工夫についてについて教えてください。

2019年夏にオープンしたのですが、その年の9月に台風の被害、翌年新型コロナウィルスの影響と外部環境が非常に厳しい中でスタートしました。また、企業向けオフサイトの受け入れ準備もしていましたが、新型コロナウィルスの影響でニーズが蒸発し、経済的にも厳しい運営となりました。そんな中でもお越しいただけるお客様に対して、ホテルが身近に感じてもらえるようにフランクな接客を心掛けました。グランピングでの宿泊体験が少ないお客様が多いため聞きやすい(質問しやすい)雰囲気を作ることができ、そこが支持されたと思います。またコロナ対策には力を入れました。営業的には、2,000坪の敷地を活用して、開放的なテント+プライベートデッキでのBBQ(や冬はたき火と鍋)に注力し、客室の稼働を落として受け入れ人数を制限しても、密を避けることは徹底しました。

 

■貴社のグランピング施設での社員教育や接客のマニュアルなどサービス品質についての施策について教えてください。

これからの課題ですが、ホテル運営部門の人材採用が進んでいることもあり、マニュアルなどは再構築していくつもりです。過度なサービスをするということではなく、お客様の過ごす時間の質を少しでも高められるようなサービスを提供できるようにしていきたいと思っています。

現在、京都から寺社仏閣内でのスモールラグジュアリーホテルの総支配人経験もある方をホテル部門の責任者として採用し、社内でマニュアル化と地固めを進めています。大手サイト経由での採用は好調で400名弱の応募をいただきました。これは弊社の理念である「資本と地域、人と地域をつなぎ、持続性のある地方創生を実現する」に多くの方が賛同いただけたと思っています。フレキシビリティがあり、コミュニケーション能力の高い方を見極めて、採用するようにしています。

 

■今後の展開について教えてください。

グランピング事業は選択肢の1つとして、今後も進めていくつもりです。

また、南房総という土地を活かしてサトウキビ生産を推進する農業法人及びサトウキビからラム酒の製造販売を展開する事業会社と連携して、体験型の宿泊施設に軸足を移していきます。南房総という地域は人口減少と少子高齢化の影響をうけて、耕作放棄地が増えています。そんな状況を打開し地方創生を進めるためにも、当ホテルでは、サトウキビの搾り体験やラムシロップを使った料理やスイーツの提供、お菓子の製造販売についても計画しています。南房総は一昨年台風の被害を受けていますが、サトウキビは台風といった災害に強く、また過去にサトウキビを生産していた歴史があります。そして、この構想は2020年のCHIBAビジネスコンテストで大賞を受賞し、今後は、サトウキビ、ラム酒の蒸留事業、ホテル運営の三位一体で地域を面として、地方創生を進めていきたいと考えています。

今後も宿泊施設+事業という組み合わせを軸に地域の身の丈に合わせた事業を進めていきます。これは各地に残るバブルの負の遺産のようなことを二度と起こさないようにするためです。また今後も東京にベースは置き続けるつもりです。これは東京にいることで、より多くの資本との接点を持つことができ、地方と東京を資本で結ぶためです。またの集客の起点は東京なので、今後も東京から人・モノ・カネを最前線で見続けます。

 

ちくらつなぐホテル様HP

https://chikura.tsunaguhotel.jp/

コンサルタントコラム

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