BOTANICAL RETREATのオーベルジュで、究極の食体験を世界へ発信。
大分県の湯布院温泉でENOWA YUFUINを運営する代表取締役社長平川様に、
事業立ち上げの経緯と成功のポイントについてお話を伺いました。(2024年9月実施)
1_事業立ち上げの経緯
当初は中古パチンコ店の再生から始め、現在では不動産、飲食店、場外馬券所等レジャーを全般的に扱うビジネス展開をしておりました際に、ファンドよりユニバーサルスタジオ駅すぐ近く位置しておる不動産の購入をして、USJ事務所機能としてテナントにむかえUSJと対話する機会がありました。彼らの展開を見る中で日本の産業が減っていくなか、これからは観光が伸びることを確信し弊社としても観光ビジネスにチャレンジしようと考えました。
当時ホテルビジネスは最盛期を迎えていたので、大阪、京都、東京の主要都市での情報があふれる中、同じ動きをすれば必ずコモディティ化すると考え地方を選択しました。限られた資源を地方と共生しながら、共に発展させていく地方共創が我々の一つの目的でもあります。
2_成功のポイント
時流に合わせたタイミングの良さが成功のポイントでした。
未だ成功したと胸をはれるものではないのですが、、、常に世の中は変わって行っています。26年前に創めた事業は当初はレジャーが余りなく盆正月あいてる所はパチンコ屋店くらいで、店も繁盛しておりましたが、現在はそれに対等するエンタテインメントも増え多様性を求める時代になっています。
これからは自分だけでなく社会が求めるものに自分から提案をして他と差別化して行かなければ成らないと考えています。
そういう意味ではENOWAは、私の経験上、食とエンタテイメント、ダイバシティインクルージョン、地方共創、循環型社会をテーマに、新しい個性ある提案ができる場所と思っております。
3_循環型オーベルジュのコンセプトと経緯
当初はスモールラグジュアリーホテルの展開を考えて、参考にするために海外で多くのホテル、レストランを回りました、その時気づいた事は日本に於けるレストランシーンと海外でのディスティネーションレストランでのシーンは全く違う事に気づきました。
特に食で地域創成を叶えているバスクでは、多くの素晴らしい体験をしました。
また、何よりの出会いはニューヨークのブルーヒル・アット・ストーンバーンズでのことでした。ロックフェラーの農場をダンバーバという有名なchefがレントして農場はコーネル大学とオーガニックに拘った品種改良されたもの、鶏を飼い、豚を飼い、牛を飼いすべての家畜はアニマルウエルスフェアーに基づき飼育されていました。料理はどの様な状態で作られたのか?等をユニークに説明をしてもらえるものでした。さらにそこに居る全てのスタッフは。この職場で働く事に誇りを持ち自信と向学に満ち溢れていました。
このような今までの日本の食文化とは異なる「食体験でのエンタテインメント」という文化に触れました。このような形での出店が地域の方々にもお役に立てればと考えています。歴史と格式のある街湯布院をダイバシティインクリュージョンによる新たな挑戦の共創を町の方々と一緒に作り上げることが叶えばと思っております。
4_立ち上げ時のトラブルや困難なポイント
循環型オーベルジュの立ち上げにおいて、最も困難だったのは「人」でした。ラグジュアリーなサービスを提供するためには、サービスの在り方そのものを変えていく必要がありました。スモールラグジュアリー施設から来た高級施設の経験者もいましたが、サービスの優先順位を再考する必要がありました。
ENOWAのコンセプトに基づいて、彼らの持っていた従来の常識を捨てる事と同時に、此処でしかできないお客様の期待値を超える体験を約束をするためのサービスに徹する事と考えます
期待値をどのように設定し、それをどのように表現するかが課題でした。
新しいスタッフには教育を通じて信念や理念を共有し、ENOWAの一員としての自覚を持ってもらうよう努めました。単なるスモールラグジュアリーとしてではなく、体験の場を提供できる施設とし、学びを重視することを大切にしました。
具体的には、チェックイン後に温泉やプール、サウナを楽しんでもらい、そこから食事が始まるという流れを作りました。
食事をレストランで着席してスタートするのでなく、まずは隣接する温室でのアペリティフで始まり、レストランへ移動、ハーブガーデンを眺めながらテーブルについてもらう、自然との調和を感じてもらうことを意識しました。通常、ホテルでは夜バーに行くことも多いと思いますが、私たちの施設では、ぜひ部屋の中で一緒にいる人と楽しむ時間を大切にしていただきたいと考えています。
5_今後の展開について
今後の展開として、さらなる出店よりも地方創生をさらに強化したいと考えています。ENOWAで行う取り組みを社会に広く訴求し、地域全体の発展に寄与したいと考えています。 それを担うのは、ENOWA設立当初からのメンバーであるchefのタシであり、彼がブルーヒル・アット・ストーンバーンズでスーシェフを経験し得たこと、彼が生まれ持ってもつDNAを湯布院のENOWAのメンバーにも分け伝えています。
食体験を通じたダイバシティインクルージョンによる地域共創を、正しくお客様に伝えていくことができればと思っています。
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