皆様、こんにちは。船井総合研究所の成田 優紀です。
「陸上養殖は儲かるのか」「新規事業として本当に稼げるビジネスなのか」という疑問を持って、このコラムに辿り着いた方も多いのではないでしょうか。
陸上養殖とは、海や川ではなく、陸上に設置した水槽やプールの中で魚を育てる養殖方法のことです。水を循環させたり、井戸水を活用したりすることで、環境をコントロールしながら安定的に生産できる点が特徴で、漁業権が不要で場所を選ばず始められることから、近年新規事業として注目を集めています。
ただし、やり方を間違えると失敗するビジネスでもあります。
このコラムでは、サーモンやトラフグの成功事例をもとに、実際の収益モデルや初期投資、参入する際に押さえるべきポイントまで、Q&A形式で分かりやすく解説していきます。
陸上養殖の新規事業立ち上げについて具体的に検討したい方は、お気軽に船井総合研究所までお問い合わせください。
陸上養殖は本当に儲かるのか?収益性の実態
Q. 陸上養殖は儲かるビジネスなのでしょうか
やり方次第で高収益を実現できるビジネスだと考えています。実際にサーモンやトラフグで成功している事例では、営業利益率が30〜40%という高い水準を出しています。ただし、やり方を間違えるとどんな事業でも失敗しますので、成功パターンを押さえることが重要です。

Q. 実際にどのくらいの売上・利益が出ているのですか
私が支援した事例では、サーモンで年商1.2億円、営業利益率30%という結果が出ています。もう一つのトラフグの事例では、年商1.5億円、利益率は40%となっており、いずれも高収益事業と言える水準です。
Q. 投資回収にはどのくらいの期間がかかりますか
投資回収の目安は3年から5年程度です。初期投資が必要な事業ではありますが、高収益体質のビジネスであるため、比較的早い期間で投資を回収できるモデルとなっています。
なぜ今、陸上養殖が稼げるビジネスとして注目されているのか
Q. 養殖市場全体はどのくらいの規模なのですか
世界の養殖市場は今や60兆円という非常に大きな産業になっています。日本国内でも5000億円規模の産業となっており、成長している産業のひとつです。
Q. 海面養殖と陸上養殖の違いは何ですか
現在主流なのは海面養殖ですが、コスト高や環境変化といった外部要因の影響を受けやすく、出荷が安定しにくいという課題があります。一方、陸上養殖は漁業権が不要で場所を選ばず、環境をコントロールできるため、安定的なビジネスとして注目を集めています。
Q. 陸上養殖が今注目されている理由は何ですか
安定的に生産できる仕組みであることに加え、最近になってようやくビジネスとして成り立つノウハウが確立されてきたことが大きな理由です。うまくやれば高収益を狙えるという点で、今、時流に乗ったビジネスと言えます。
陸上養殖市場の成長性は稼げるビジネスモデルと言えるのか
Q. 陸上養殖市場の規模と成長率はどのくらいですか
世界の陸上養殖市場は3.2兆円、日本国内はまだ447億円、約500億円規模とこれから伸びる市場です。年間で2桁成長を続けており、これほどの成長率を維持している市場はそう多くありません。今から押さえておくべきビジネスだと考えています。
Q. 今、実際に参入しているのはどんな企業ですか
丸紅さんのような大手企業のニュースを見かけることもありますが、そうした大手が本格的に事業化している例はまだ稀です。大手も含めて多くは研究・実証段階にあり、実際に事業として収益を上げているのは中小企業が中心です。
儲かる陸上養殖モデル、かけ流し式と閉鎖循環式の違い
Q. 陸上養殖にはどんな方式がありますか
大きく分けて、かけ流し式と閉鎖循環式の2種類があります。閉鎖循環式は環境負荷が少ないとされ、今の流行りとしてよく取り上げられます。

Q. 中小企業にはどちらの方式がお勧めですか
中小企業の皆様にお勧めしているのはかけ流し式です。井戸水を掘って利用するため立地の自由度は閉鎖循環式よりやや低いものの、日本全国どこでも掘れば一定量の水は確保できます。
閉鎖循環式は水道水を循環利用するため自由度は高い一方、投資規模が大きくなる点がデメリットです。
Q. 初期投資はどのくらい違うのですか
かけ流し式は数千万円から数億円程度で開始できます。一方、閉鎖循環式は数十億円から数百億円規模の投資が必要になることが多く、ここが大きな差になります。
中小・中堅企業が新規事業として取り組むなら、成功確率も高く初期投資を抑えられるかけ流し式から始め、徐々に閉鎖循環式へ展開するという進め方も有効です。
儲かる陸上養殖の収益モデル、事例で見る収支イメージ
Q. 実際の収支イメージはどのようなものですか
私が支援した事例では、初期投資約2億円、水槽60槽程度の規模で、年間売上約1億2000万円という結果が出ています。償却前のキャッシュフローは売上の約半分残り、営業利益率は約30%、金額にして約4000万円前後が残るモデルです。

Q. 何にコストがかかるのですか
主にかかるのは販管費(人件費、その他経費、管理費など)と減価償却、そして餌代や稚魚代です。これらを踏まえても30%程度の利益が残る、収益性の高いモデルとなっています。
儲かる陸上養殖ビジネスを立ち上げるための4つのポイント
Q. 立地はどのくらいの広さが必要ですか
先ほどご紹介した事例は約600坪の規模です。まずは100〜200坪程度から始めて、600坪、2000坪と徐々に拡大していく進め方もひとつの方法です。
Q. どの魚種がお勧めですか
サーモン、トラフグのほか、エビやアワビ、ウナギなど選択肢は様々です。効率良く育てやすいという観点で、私たちが特にお勧めしているのはサーモンです。詳細な比較はセミナー等でお伝えしておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
Q. オペレーションで気をつけることは何ですか
稚魚を放って餌を与えて育てていく中で、掃除や餌やりの仕方にポイントがあります。掃除を綺麗にしすぎるとバクテリアが死んで魚も死んでしまったり、餌のやり方やタイミングによって育ちが悪くなったりすることもあります。井戸水を使うため気温変化の影響は少ないですが、それでも適切な対応が必要です。
Q. 出口戦略はどう考えればいいですか
出荷先の確保、いわゆる販路開拓が非常に重要です。まずは地元のスーパーと交渉するところから始め、そこから商社との取引や営業活動を広げていくという進め方が基本になります。
陸上養殖ビジネスの立ち上げまでのスケジュール
Q. オープンまでどのくらいの期間がかかりますか
立ち上げまでには8ヶ月から1年程度かかります。その後、稚魚を放ってから育つまでに約10ヶ月かかり、そこから出荷が始まります。

Q. 事業が軌道に乗るまでどのくらいかかりますか
軌道に乗るまでの目安は3年程度です。時間はかかるビジネスですが、その分高収益な事業であり、展開していけば年商5億、10億、20億という規模まで拡大できるポテンシャルもあります。
まとめ|陸上養殖ビジネスは儲かるのか
陸上養殖は、やり方を間違えなければ高収益を実現できる新規事業だと考えています。サーモンで年商1.2億円・営業利益率30%、トラフグで年商1.5億円・利益率40%という事例からも分かるように、投資回収3〜5年という高収益モデルを構築できる可能性があります。
市場全体で見ても、日本国内の陸上養殖市場はまだ447億円と成長期にあり、年間2桁成長を続けています。まだ大手企業の本格参入が少なく、中小企業が実際の収益化に成功している今が、参入を検討すべきタイミングだと言えます。
成功のためには、かけ流し式か閉鎖循環式かという方式選定、立地選定、魚種選定、オペレーション、出口戦略という4つのポイントをしっかり押さえることが欠かせません。
陸上養殖は決して一時的な流行りではなく、時流に乗った成長ビジネスです。ぜひ自社の新規事業、コングロマリット型経営の一助として検討してみてください。
陸上養殖ビジネスについてお困りの方へ
船井総合研究所では、提携パートナーと連携したワンストップでのサポート体制を整えており、立ち上げに必要なマニュアルもご用意しています。
陸上養殖の新規事業立ち上げについて具体的に検討したい方は、お気軽に船井総合研究所までお問い合わせください。





